【令和4年4月23日に北海道知床半島で起きた知床遊覧船[KAZU 1]の沈没により大変多くの命が失われるという痛ましい事故がありました。お亡くなりになられた方々、そのご遺族、関係者の皆様には心よりお悔やみ申し上げます。】
この事故により国土交通省海事局より日本小型船舶検査機構に対し、船舶検査の実効性の更なる向上を図るため、業務改善を行うように指示されました。 このため、旅客船等についたは既に検査の方法等の見直しが行われていますが、更なる業務改善が進められており、『受験者』向けに次の項目についてリーフレットが作成されましたのでお知らせいたします。
- 検査の準備に関すること。
- 救命浮器、救命胴衣の救命設備に関すること。
- 消火器の有効期限と経年劣化に関すること。
検査員が不具合を発見した場合は、船舶検査是正通知書が発行されます。本通知書に記載された 不具合の是正が完了するまでの間、受験された船舶の船舶検査証書及び船舶検査手帳の交付、または、返付はされませんので、航行することが出来ません。 このことを十分に留意してください。 リーフレットの内容を今一度確認していただき、検査前の準備にご活用ください。
このような情報を知っていただくことにより安全にスムーズに検査が通りますよう役立てていただければ幸いです。
検査日と予約日
小型船舶検査はこれまで検査日の1週間から予約出来たのですが、最近では最低2週間前には検査申請料、申請書類等を検査機構に届いていなければなりません。
船舶手帳の返却
船舶手帳及び検査済証はこれまでは検査を受けた3日後には返却されましたが、検査の内容が基準に満たない場合、基準値に満たすまで、またその証拠を提示するまで返付されません。
よって、5月の「ゴールデンウィーク」や7月の「海の日」、8月の「お盆休み」などにボートの使用を予定される方、または遊漁などでお客様の予約を受けておられる方は、早めに検査を済ませるように注意してください。
検査が通らなかった例
- デッキスカッパー : デッキにつけられたスカッパーの数だけキャップを用意しなければなりません。本来このキャップを付けて使用する設計になっているからだそうです。
- 夜間灯の電球 : 旧型の夜間灯は豆球が使用されていますが、豆球の代わりにLEDの電球に交換されると指定された電球で無いため違法改造ということで検査が通りません。
旧型夜間灯の外側のケース内から光を発しても豆球の光よりもLEDの光は遠くに届かないからだそうです。 - ハッチの蓋またはデッキなどに亀裂が見られる場合は修理を要求されることがあります。
- 船体の周囲(カイシング)に本来付いている防舷材やガンネルの破損が著しいと強度不足とみなされることがあります。
- 急発進防止装とエンジンの整備状態の確認の為、エンジン始動を求められることがあります。